就職活動やお見合いをする際に、第一印象が大事とよく耳にすると思います。
これは、物事に対して一番はじめに提示された情報が印象に残りやすいという初頭効果です。
また、反対に仕事のプレゼンを聞いてから、3週間経過後に印象に残っているのは、プレゼン最後のオチ部分ではないでしょうか?
これは、情報がたくさん出た時に、最後に得た情報によって判断が左右されやすいという親近効果です。
初頭効果 物事に対して一番はじめに提示された情報が印象に残りやすいという社会心理学 親近効果 プレゼンなど情報がたくさん出た際に、最後に得た情報が印象に残りやすい社会心理学
このように、人間は心に残る光景や印象が時折変化します。
初頭効果と親近効果は逆の意味になりますが、どのような場合、初頭効果が優勢なのか?また、親近効果を活用する場面はどんな時かそれぞれ例を挙げながら解説します。
この記事でわかること
- 初頭効果について
- 親近効果について
- それぞれの活用法
ビジネスや転職活動などで活かせる心理学ですので、ぜひ最後まで読んで行ってください。
初頭効果について
ここで初頭効果を説明する前に、少し考えてほしいことがあります。
もし、あなたがエレベーターで閉じ込められちゃ時にどちらの人がいいでしょうか?あまり長く考えずに直感的に答えてほしいです。
Aさん 知的で勤勉、とても優しい、頑固なところがあり批判的で嫉妬深い
Bさん 頑固、批判的で嫉妬深い、知的で勤勉、優しい人
あなたが選んだ方はAさんの方かと思います。
実は二人とも、特徴は同じですが、脳は「後ろに並んだ形容詞」よりも「前に並んだ形容詞」に重きを置くため、Aさんの方が良いと思えるのです。
これを初頭効果と言います。
初頭効果は、その後の余程のインパクトがない限り約半年間印象が持続すると言われています。
親近効果について
親近効果とは、初頭効果の逆で「後から入ってきた情報が記憶に残りやすい」という脳の現象です。
脳の短期記憶の容量が極めて小さいことから起きます。
新しい情報が入ってくると、古いものは外に追い出されてしまうからです。
初頭効果、親近効果活用
初頭効果と親近効果は逆の意味になりますが、どんな場面でも適用できるわけではなく、うまく使いわけする必要があります。
初頭効果(ビジネス)
ビジネスシーンでは、会議で意見がある時ははじめに口を開き意見を言うと良いです。
そうすれば、初頭効果(はじめに受けた印象、影響)のおかげであなたは同僚に大きな影響を与え、自分の側に引き込むことができます。
また、もしも会議の進行役にになっていたとしたら、ためらわず色々な人に話をふって意見を聞く方が良いです。
そうしなければ、毎回はじめに意見を述べる人が必要以上に影響力を与えることになります。
他にも、第一印象をよく見せるために、ハキハキとした印象を残すのもいいでしょう。
親近効果(ビジネス)
親近効果を使用する際は、プレゼンテーションや発表の際に、最後に大きなインパクトを残したい時に使えます。
複雑で情報量が多い場合は、なかなか初頭効果は効きません。なぜなら、情報量が多いため短期的に覚えておける脳の容量が少ないからです。
あなたが最後に印象に残しておきたい事柄がある場合は特に声のトーンや資料など細かいところまでこだわり作成してみましょう。
話し方のコツはこちらの記事も合わせてご覧ください。
相手の関心レベルでの使い分け
初頭効果、親近効果は話しを聞く相手の関心度合いによっても使い分ける必要があります。
関心レベルの低い相手
自分の話に対して関心が低い状態でプレゼンテーションを行う場合は、相手がこちらの話を集中して最後まで聞いてくれるとは限りません。
想像してください。
興味のない某テレビ局の訪問営業が来てもあなたはあまり話しを聞きたくないですよね? 早く帰ってくれって思うと思います。
このように、相手がまだ興味を抱いてない場合は、相手にとって重要な話題をはじめに持ってくることで、相手の関心を引きつけられる初頭効果を活用することが有用です。
関心レベルの高い相手
何度か交渉の場があり、すでに相手が自社の製品に興味がある場合は、焦らず余裕を持って話を進めることができます。
より確実に相手を説得するため、前半部分で重要ではないこと、あるいはデメリットを、後半部分で重要度の高い情報を持ってくるように話の構成を作ってみてください。
例えば、
「この商品は機能が格段によくなりましたが、以前のシステムより1万円高くなります」 「この商品は価格面では1万円高くなりますが、機能面がとても優れていて・・・」
上記の2つの例では、前者では価格が高くなるデメリットを最後に伝えています。しかし、後者の方は最後にメリットを与えられて親近効果をうまく活用できています。
どちらが印象が良いかは後者の方です。
恋愛での活用
次に恋愛での活用方法について解説します。
初頭効果
恋愛や合コンなどで初頭効果を使用するのであれば、まずは初めの挨拶や話しはじめです。
第一印象が良くなければその後の展開まで持っていけません。
良い印象を与えるには、清潔感があり、爪や細かいところまで気を使い爽やかな笑顔で振る舞いましょう。
逆にボソボソと硬い表情で話すことは印象が悪くなります。
緊張する気持ちはわかりますが、特にはじめは勇気を出して良い印象を残すように心がけましょう。
親近効果
2回目のデートや帰宅時は親近効果を意識しましょう。きれいな夜景を見に行ったり、別れ際に楽しかったと笑顔で相手に伝えると良いです。
また、次のデートに誘い込みたい場合は、最後に「表参道にオシャレですごく美味しいフレンチがあるんですよ今度行きましょう」など相手に印象に残るような言葉を少しだけ残すと効果的です。
相手からすると、オシャレなフレンチというなんとも情報不足なところが気になり、実際に誘った時に許可が降りやすくなります。
逆にデートの最後に素っ気ない態度を取らないように気をつけましょう。
「今日はありがとう」の一言だけで解散していては次につながりにくいため注意です!
初頭効果に失敗してしまったときの対処
初頭効果の重要性は理解できたけど、どうしても最初は緊張していい印象なんて与えられないです。
このようにお悩みの方もいるかもしれません。
このような場合は、後悔しても仕方ないので、何とかイメージを払拭するように頑張りましょう。
まとめ
初頭効果とは、最初に与えられた情報がその後の情報に影響を及ぼし印象が変わることです。つまり、転職や営業、恋愛の場面でも初めの数秒間から数分間が重要になります。
親近効果とは、最後に与えられた情報に左右されて印象が変わることです。特に相手にプレゼンテーションを行う際など情報量が多い場合は、最後を意識して資料を作成しましょう。
このように、初頭効果と親近効果は対となる心理学の現象ですが、両方をうまく活用することができれば、人生で少しでも役に立つと思いますので意識してみてはいかがでしょうか?
しかし、親近効果が有用な場面でも、初頭効果(相手への挨拶など第一印象)など、活用できる場面は多いと思いますので、どちらか一つではなく、初頭効果、親近効果どちらも使えるとなお良いと思います。
また、初頭効果を意識しすぎて、逆に変な目立ち方をすると良い印象を持たれない可能性もあります。
今回の記事では、最初と最後の印象を決める二つの心理学テクニックを紹介しました。相手の印象に無意識に働きかけることができますので、ぜひ上手に活用してくださいね!
ここまでご覧くださりありがとうございました。